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時計の針は、意外に余裕ある時間を指していた。
(案外、間に合うものなんだな…。
直接すぐに体育館へ向かうほどでもないか。)
だから、教室に向かうことにする。
といっても、本来はそれが当然なのだけれど。
今日からまた、"学校の一ノ瀬 唯"として振る舞わなければならない。
それは、もう一人の唯だ。
教室に向かいながら、気持ちを切り替える。
もう一人の唯を呼ぶのだ。
大げさに言えば、自分を演じることになる。
久しぶりだが、感覚は鈍っていないはずだ。
そうして、目の前まで来た。
準備は完璧。
人当たりのいい唯が、教室の扉を開く。
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