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ダイニングテーブルの上には朝食が蓋をかぶっている。
その蓋をとって、食べ始めた。
冷めかかった朝食は、少し味気ない。
ずいぶん前に作られたようだ。
今日は、起きたのが少し遅かったから、それも仕方ないのだが。
いつものように静かな空間が、よりいっそうその味気なさを意識させる。
そういえば、忘れていた。
食事や炊事は、やってくれている人がいる。
水上 奈々華さんといって、オレの母親の、少し年の離れた友達だ。
ちなみに弁護士。
昔、法律の勉強をする場所で知り合ったと聞いたことがある。
オレの母は、途中で父の提案に招かれて、起業に加わったから、最終的に進んだ分野は違うのだが。
その奈々華さんに、しばらく海外に滞在するにあたって、家をお願いしたらしい。
近所ということもある。
最初のうちは、この家で過ごしてくれたりもしていた。
けれど、オレが頼んで住み込みはやめてもらったのだ。
それは、お互いのためにならない。
そして、今ではもうすっかり慣れた。
母親の方は時々、不定期に帰ってきたりもする。
今では、全てがもう日常になった。
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