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時間に追われて用意を始める。
いちいち時計を気にする朝は、嫌いだ。
もっとも、それを好む人間もいなさそうだが。
これからまた、そんな朝を過ごしていくことになるだろう。
その初日から、嫌気が差し始めたかもしれない。
しばらくして学校へ行く準備を整え、玄関に立つと、棚の上に何か札があることに気がつく。
遠目でもすぐにわかった。
棚の色と、見事にミスマッチだ。
雰囲気もズレてる。
「なにこれ…。
カードか…?
"ⅩⅦ"って何なんだ…。」
見なれないカード。
オレに見つけられるために、そこにあったようだ。
手にとって、じっと眺めてみる。
いや、見なれないが、どこかで見た。
数日前に同じものをた気がする。
(たぶんこれ、奈々華さんのだよな。)
夏休みのいつかだった。オレを占うと言って、何枚ものカードを見せてくれた事を思い出す。
(たしか番号ごとに絵柄と暗示事が違うんだった。
これは…なんだっけかな。)
絵柄は見ても分かりづらいものだった。
そういえば、あの時も番号で覚えた気がする。
(あの時は、何のカードだったんだっけ…。)
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