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「それで、俺はエイジ。ベースをやってる。形だけ、リーダーも。19歳、フリーター」
エイジが言い、悠馬に目配せ。
「悠馬……ギター。認めないかんな」
「あれ、アツは?」
奈々が尋ねる。エイジが肩をすくめて見せると、奈々はむっとした。
「サボり?」
「だってアツだろ」
「エイジ、後はお願い。ちょっとアツ連れてくるから」
にこりと笑い、そこに悪意のような危うさを3人は感じた。
「……奈々サマは強引だから。帰りたければ、今の内に帰ってくれ。ちゃんと止めとくから」
「じゃあ、お言葉に甘えて。お邪魔しました」
朔太郎が言って、スタジオを出て行く。
「エイジ、いいの?奈々キレるって、絶対」
「お前は反対なんだろ。俺が奈々サマを説得するから」
ベースをエフェクターに繋ぎ、エイジが言う。
「奈々が連れてくるなんて……数ヶ月ぶりだったのに」
朔太郎のことを気にしつつ、悠馬は呟いた。
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