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「ダメったら、ダメ。それとも、痛い目に遭わないと……分からない?」
パキパキと奈々が両手の拳の骨を鳴らす。ここで引き下がらないと、痛いでは済まないかも知れない――。
「じゃ、音作りもちゃんとやるって約束するから。な、アツ」
「えー?ダルい」
言い切った篤樹の額に奈々のチョップが炸裂した。
「女が暴力振るなよ!?」
「ええい、うっさい!男だろうが、女だろうが、暴力なんかダメでしょ!」
「奈々、矛盾してない?」
「うっさい!」
奈々のチョップが悠馬にも炸裂し、物理的に黙らせた。
「とにかく、今日は反省しなさい!また来週、同じ時間にいつもの場所集合!」
奈々がさっさと行ってしまった。
「奈々ちゃん……おっかねーな」
「アツのせいで俺まで……。どう責任取るんだよ?」
「責任なんかを取る筋合いねーし」
この日も、いつも通りに一日が終わった。
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