1 出会い

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「ーーー!?」  見知らぬ男が、自分を見下ろしていたことに気付く。 「だ、誰…?」 「……」  男はその質問に答えずに、よく焼けた魚を差し出す。  少女が受け取るのを確認してから、勢い良く立ち上がった。 「…ここにいろ」 「え?」 「動くな」  首を縦に振った途端、男の背後から5体の鬼が飛び出す。 「見つけたぞおぉ!」 「久々の獲物だ!」 「女は生け捕れ!」  口々にそんなことを叫びながら、勢い良く腕を振り下ろした。  ーーバキッ!! 「…ん?」 「な、何だと?」  鬼達が砕いたのは、焚き火に使われていた薪だった。 「それだけか?」  頭上から聞こえた声に、鬼達は空を見上げる。  夜空には、少女を抱えた男が空中に浮かんでいた。 「その女を寄越せ」 「…何故だ?」 「決まってんだろう。喰うためだ」  その言葉に、他の鬼達が次々に同意する。 「若い女は美味い」 「その血肉が我らの糧だ」 「ーだから寄越せ」  鬼達の言葉に、少女は怯えた。 「いっ…イヤ…!」  その様を見た男は、空いている右手で腰の刀を抜く。 「何だ?」 「一人で俺たちと戦おうってのか」 「しかも片手だと?」 「ふっ、ふざけんな!!」  その中で一番強そうな鬼が前に進み出た。 「…貴様らなど、片手で十分だ」  その言葉に鬼達はキレる。 「貴様あぁ!」 「ぶっ殺してやる!」  殺生丸は余裕だった。  まずは一閃して、二体の鬼の胴体を切り離す。  続けてもう二体の腹を切り裂いた。 「ぎゃっ!」 「ぐわあぁっ!」  一瞬で、目の前が血の海になる。  少女を抱えたまま、最後の鬼に刃先を向けた。  先ほど「ふざけるな」と怒鳴った鬼だ。 「…貴様で最後か」 「ひ、ひぃっ…」 「ーー死ね」 「う…うがあああッ」   …バシュッ!  大きく振り上げられた腕を交わし、間合いを詰める。  そしてがら空きの腹に刀を突き刺したーー。    
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