71人が本棚に入れています
本棚に追加
するとその光は、自らの弟へと姿を変える。
―お前が護りたいのはこれか?
『もちろん…母上もだ』
弟が大きな瞳を見開いた。
―ならば…。
次の瞬間、一筋の光が小さな体を貫く。
…ドサッ
『―光瑠ッ!』
慌てて抱き起こすと、再び声が聞こえた。
―…いて…。
『光瑠!…光瑠!』
―…抜い、て。
『…兄上…』
漆黒の瞳がゆっくりと開かれる。
そして唇が動いた。
『呼んで』
―呼んで。
二つの声が重なって聞こえる。
最初のコメントを投稿しよう!