プロローグ 

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『呼べって、何を…?』  腕の中の弟が傷ついた表情を浮かべた。 『ヒドいな、兄上。  もう忘れちゃったの?』 ―せっかく父上が話してくれたのに。 ―せっかく母上が願いを込めてつけてくれたのに。 『…僕らの…**』 その言葉に、少年は驚きを隠せない。 『…いつ、聞いたんだ?』 『兄上が聞いた後に、父上が…教え…』 ―教えてくれたんだ。 『兄上だけが知っていて、僕だけが知らないなんてずるいよ』
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