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決まった時間にアイツは来る……。
(夜の黒猫)
「それでは、銀さん僕たち行ってきますね」
今日、新八、神楽はお妙の家に泊まる日。その中銀時だけはお留守番。
「おう、行ってら~」
ガラガラピシャンと扉を閉める音が万事屋に響き渡った…。
「さて、これからどうすっかな……(定春は隣の部屋で寝てるし…)」
「やる事ねぇー」っと言いながらソファーに横たわった。
目を瞑り、ふと思い出す。前にもこんな日があった…と。深夜決まってアイツは来た…サラサラと流れる黒髪で方目には包帯…、手には煙管を持ち、妖しい笑みで人を惑わす…。
いつ来るかも分からない、気付くと其処に居る…アイツはまるで黒猫、だ。
「(今夜は来るのかな…)
……って!まるで俺がアイツに恋してるみてぇじゃねぇか!?」
バッ…と起き上がり頭を抱えて悩み込む。胸が苦しいのは分かっていた…。
「(酒でも、飲んで落ち着くか……)」
…酒を一杯、また一杯とこんな苦しい想いをするなら今の内に酷く酔っとこう…アイツが来ても何も想わないように………。
(何時来るか、今日は来るのか…あの自由気ままな黒猫は………)
おわり
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