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『…………くな』
『行くな、銀時ッ!!!』
バッ!!
「!大丈夫か高杉!?」
「(あっ……夢、か…。)
あ、あぁ…大丈夫、だ…」
「お前すげぇ魘されてたぜ?しかも行くなって…?」
頭がぼーっとする…。
暗い、暗い夢の中。光さえも見えない暗黒の中。俺は只独り其処に立っていた…。誰も居ない其処に俺独り………。昔みたいにまた俺は独りになってしまう、のか…?暗闇の中で見た、銀時の去っていく後ろ姿。手を伸ばしても、伸ばしても届かない。名を呼んでも振り向きもしない…。そして、……消えて行く。何度、名を呼んでも来やしない。只、只。その声は果てしなく広がる暗闇の中で虚しく響き渡るだけ………。
「おい高杉!!」
「!な、何だ…」
「…怖い、夢でも見たのか?」
「………ん。」
いい歳こいて怖い夢を見ただなんて、銀時ぜってぇ呆れ…
ぎゅっ
その瞬間、銀時に抱き締められた。
「んなっ!?お、お前!!」
「……からッ!」
「?」
「俺はお前を置いて何処にも行かねぇから」
その瞳は、俺だけを映してだしている。
…不意に胸が高鳴る。
「バカヤロ…//」
バッと布団を被る俺に彼奴は耳元で、
『おやすみ…』
と呟いた。
END
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