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涼と彩はイルカショーなどを見たあとご飯にした。なんと彩が弁当を作ってきてくれたのだ。
「うわぁ!すげぇ、料理上手いんだ!」
涼は感動した。彩はお嬢さまだからあまり料理をしないと思っていたのだ。
「あんまりじろじろみないでよ!恥ずかしいな…」
彩は恥ずかしそうにしながらも褒められたことを純粋に喜んでいた。
「食べていい?」
「うん…」
涼は彩の作った弁当を食べた。彩は心配そうな顔をして涼の反応をみた。
「…どう?」
「すごいおいしいよ!彩はすごいな!」
涼が満面の笑みで言うと彩はほっとした。
「良かった…だって涼のこといっぱい思って作ったんだもん。」
彩は照れくさそうに言った。
「そっか…ありがとうな!」
涼は素直に嬉しかった。よく見ると彩の手には所々にばんそうこが貼ってあったのだ。
彩は涼の視線に気づき手を隠した。
二人は微笑えんだ。
“この時間が永遠に続けば”涼はそう思って彩を見つめた。彩も同じ気持ちなのだろう。二人は少しの間、見つめあっていた…
二人はシーパラダイスを出てバスに乗った。
「今日はありがとう。楽しかったよ!」
涼がそう言うと彩は笑った。
「まだよ。あとひとつ行きたい所があるの。」
「えっ?でももう暗いよ?」
「だからよ!」
彩はそう言うとバスの停車ボタンを押した。
「ここは…?」
「港のみえる丘公園だよ。ほらこっち!」
彩は涼の手を引っ張り柵のとこまで連れて行った。
「…………」
涼は言葉が出なかった。予想以上に綺麗だったのだ。
「どう?綺麗でしょう?」
彩は得意気な顔になった。
「ああ!でもこんなに綺麗に見えるのは彩と一緒だからかな…なんて…」
涼は恥ずかしいそうに言った。
「わたしもそう思うよ…涼と一緒だから…」
涼は彩を抱き寄せた。「このままずっとこうしていたい…」
涼は彩を見つめた。
「わたしも…」
涼は彩の頬に手を添え優しく口付けをした…今日は二人にとって一生忘れることの出来ない記念日になった…
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