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「あの…せっ、先輩。あの…私と付き合って下さい。」
…………。
静かな沈黙が流れた。
いきなり告白されその青年は驚いたがゆっくりと口を開いた。
「ゴメン。君とは付き合えない…本当にゴメン。」
青年はそう言って頭を下げた。
すると少女は泣きながら走って行った。
青年の名前は鷹野涼。今は高校二年生で所属はバスケ部。今のは部活の後輩で前から涼のことが好きだったらしい。全然気付いていなかったが。
涼は今までに恋をしたことがなかった。なんて言うと“そんなの嘘だ”って突っ込まれるが本当だった。涼は人を好きになったことがなかったのだ。その割には以外とモテてしまう。
「はぁ、俺って冷たい人間なのかな…」
そんなことを呟きながらいつもの所へ行く。そこは廃ビルの屋上でもう使われてなく夕陽がすごい綺麗に見えるのだ。落ち込むと必ずそこに行く。
すると…
一人の少女がそこに立っていた。涼は自分の秘密基地が他人に見つかったような気分になった。
すると少女は涼に気付き振り返った。
ドキッ…
涼は固まってしまった。少女は泣いていたのだ。
「来ないで…」
「えっ…」
「だから来ないで。」
涼は意味がわからなかった。だが少女は必死に言った。
少女は柵に手をかけた。涼はびっくりして叫んだ。
「ちょっと待て。何するんだ?」
「決まってるでしょ。飛ぶのよ…」
いやいや、普通は決まってないからなどと思いながら必死に説得しようとした。
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