天国からの逆転(前編)

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御剣 「成歩堂…残念だが家政婦による犯行も不可能だ」 成歩堂 「え……?なぜ!?」 御剣 「フッ…では家政婦の口から直接説明していただこう!」 同じく地方裁判所 第6法廷~希代盛恵の証言 希代 「天下そば御殿で家政婦をやってる希代盛恵だよ。炊事・洗濯・掃除はもちろん事務・会計・接客までマルチにこなしちゃうからね~」 真宵 「スゴイおばさんだね♪成歩堂法律事務所にも来てもらおうか!」 御剣 「証人…天下そば御殿にはいつから?」 希代 「奥様が亡くなって直ぐだからもう16年になるねぇ。あの頃はその気になれば旦那様を誘惑できるくらいピチピチボディだったのに今ではこんなオバチャンだよ…。時の流れは残酷だね」 御剣 「無駄話はそのくらいにして証言を始めてもらおうか」 希代 「せっかちな男だね~!そんなんじゃモテないよ!」 御剣 「…………さっさと証言を!」 希代 「えーと、あたしは毎朝午前10時に出勤してるんだ。主な仕事は旦那様のお世話。食事を作ったり話し相手をしたり診療所へ付き添ったり」 御剣 「薬の管理をしていたのは?」 希代 「あ、それは旦那様。もともと頑固な人だったけど歳をとってますます、あたしの言うことなんて聞かなくなっちゃってさ『薬ぐらい一人で飲める!子供扱いするな!!』ってあたしには絶対に触らせてくれないんだよ」 希代 「薬を飲むのは正午の昼食と午前0時の夜食の後で食べ終わってからきっかり15分後。ちゃんと薬を飲んだかどうかは空袋を見て確認するしかなかったね。そのあと飼い猫のショコランと遊んでから午前2時に床につくんだよ」 真宵 「会長さん猫が大好きなんだね」 希代 「最近の旦那様はショコランだけが生き甲斐だったからね。でもこっちは大迷惑だよ。猫の毛があちこち飛び散って掃除が大変!いやショコランだけならまだマシだよ…時々、汚らしい三毛猫が上がり込んでくることもあってさ…もう、うんざり!」 真宵 「汚らしい三毛猫って…リューイチのことかな?」 成歩堂 「たぶん」 リューイチ 「ミャーー!」 春美 「しーっ!」
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