天国からの逆転(前編)

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希代 「旦那様の夜食を用意するまで帰れないから、あたしはいつも午前様。ほんと人使いはやたらと荒いんだらさ。あの日だって『腹がいっぱいで眠くなった!マンプークまで車で迎えに来い!!』って電話がかかってきて…」 御剣 「迎えに行った…?」 希代 「あぁ、ちゃんと行きましたとも!歩いたって5分もかからない距離なのにさ!まったく…」 希代 「あの日は最悪だったよ!渋滞に巻き込まれるし、ようやく着いたと思ったら駐車場のド真ん中に馬鹿でかいトラックが停まってて邪魔でさぁ!あまりにも腹がたったからマナーの悪い車がいますーって書いて、そこら中に貼っておこうかと思って写真撮ってやったよ。ほらこれ!バッチリ撮れてるだろ?」 御剣 「証人!本件と関係のない話はどうでもいい!それより、愛沢医師から渡された薬を蕎麦粉入りのものにすり替えることが可能だった人物に心当たりは?」 希代 「さぁ?言っとくけどあたしには無理だよ!」 成歩堂 「どうしてです!?」 希代 「薬は…寝室の金庫の中へしまうほどの徹底ぶりでさ」 成歩堂 「金庫!!?」 希代 「あたしは金庫の開け方を知らなかったからねぇ…」 成歩堂 「開け方を知らなかったなんて証明できますか!?」 希代 「だってさー、指紋認証ロックシステム付きだからさぁ…旦那様の金庫は万全のセキュリティーだったんだよ。」 成歩堂 「!!!」 希代 「金庫には旦那様と月美ちゃんと死んだ奥様…家族3人の指紋だけを登録し、それ以外の指紋では開かない仕組みになってたのさ」 成歩堂M (……なんてことだ。薬の入った金庫は指紋認証ロックシステム…開けられたのは3人…。殺害された金成ニハさん、16年前に亡くなった金成霞さん。そして……金成…月美さん…) 御剣 「わかったか成歩堂!!以上の証言から明らかなように金庫内の薬をすり替えることが出来たのは被告人、金成月美以外考えられないのだ!!」 成歩堂 「ぐ……」 月美 「あたし、こんなところでグズグズなんかしてられません!!」 成歩堂 「月美さんっ」  
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