天国からの逆転(前編)

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春美 「おヒゲの刑事さん、そんな事はありませんよ!真宵様!月美さんという人は信頼できるお方なのですよね?」 真宵 「う…うん」 春美 「でしたら、わたくしは月美さんの言葉を信じます!よく分からない死に方ならなおさら死者の霊的な力が……黄泉の世界から舞い戻ったお母様が金成会長とやらを殺したのでしょう!」 糸鋸 「まぁ、遺体の状況を見る限り霊の仕業なんて言えないッスがね…」 春美 「真相はここにいる、なるほどくんが暴いてくれます!」 成歩堂 「え…僕!?」 春美 「ビンボーななるほどくんは月美さんにいつもお蕎麦を恵んでもらっているのでしょう!?」 成歩堂 「いや…別に恵んでもらっては…」 春美 「受けた恩は返すべきではありませんか!?それが道理というものです!」 成歩堂 「……はぁ…」 11月4日 午後5時19分 留置所 成歩堂 「死んだお母さんが犯人だと主張しているんだってね…お母さんを見たのかい?」 月美 「……はい」 成歩堂 「その時のことを詳しく話してもらえるかな」 月美 「…あたしイヤな夢を見てしまって夜中の1時頃に目を覚ましたんです」 成歩堂 「イヤな夢?」 月美 「あたしが幼かった頃の…あまり思い出したくない出来事です……」 成歩堂 「よかったら聞かせて下さい。月美さんを助けられるかもしれないから」 月美 「……実はあたし…16年前に誘拐された事があるんです」 成歩堂 「誘拐!?」 月美 「まだ4歳でしたから細かい事はほとんど覚えてませんが……だけど、その日がママの誕生日だった事はハッキリ記憶しています」 月美 「あたし…ママの膝の上でお花のティアラを作っていたんです。それを誕生日プレゼントにしたんです。その時、鬼のような顔をした女が飛び込んできました……!」 月美 「そいつはママを殴り付け泣きじゃくるあたしを平手打ちにしました。あたしは襟首を引っ張られ見知らぬ家へ連れ去られてしまったんです。」 真宵 「ひどい……」 月美 「狭くて汚い部屋に閉じ込められて…あたしは…とても怖くてただ泣き叫ぶばかり…」  
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