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裁判長
「和菓子で死にかけた……では今回の事件も事故の可能性があるのでは!?」
御剣
「…これは金成ニハの寝室から見つかった粉薬の空袋だ。テーブルの上に水差しと共に置かれていた。そばアレルギーによる蕁麻疹を抑える薬を処方してもらっていたらしいが…この薬袋に付着していた粉を調べたところ、薬ではなくそば粉であることが判明した」
御剣
「未開封の残りの薬については鑑識で調べてもらっているところだが、粉の色も形も薬と違うので残りの袋も全てそば粉であったと考えてよいだろう。何者かが薬とそば粉を…すり替えたに違いない!!金成ニハは薬だと思ってそれを飲みアナフィラキシーを起こして死んでしまったのだ」
真宵
「恐ろしいね…」
御剣
「金成ニハがそばアレルギーだと知っていた人物は3人しかいない。金成ニハの娘、金成月美長年金成家の家政婦を勤めてきた希代盛恵。そして金成ニハの担当医であるドリーム診療所の愛沢夢子」
成歩堂
「天下そばの社員は会長のそばアレルギーについて何も知らされてはなかったんですか…?」
御剣
「金成ニハは自分の体質をひた隠しにしていたようだな。…まぁ、無理もないだろう。天下そばの会長がそばアレルギーだと言うことが世間に広まれば会社のイメージダウンにもつながりかねない。だから金成ニハは、そのことを必死で隠しアレルギーについて知っている3人には他言を固く禁じていたそうだ」
御剣
「その3人のうち確かな動機を持っているのは被告人金成月美だけだっ!!社長辞任の件やアレルギーなどでストレスを抱えていた金成ニハは度々、被告人に暴力をふるっていた」
御剣
「彼女の頭の傷は金成ニハにやられたものだっ!被告人は父親の暴力に耐え兼ね犯行におよんだのだろう。同情の余地はあるが殺人は殺人!しかるべき罰を受けてもらわねばならない!」
月美
「いいえ!!パパを殺したのはあたしではありませんっ」
月美
「確かにパパのことは恨んでました…あたしへの暴力は日ごとに酷くなり、このままではいつかパパに殺されてしまうのではないかと怯えていたのも事実です……」
月美
「だから…あたしを不憫(ふびん)に思った天国のママがパパを殺してくれたんです!!あの時あたしは確かにママに会ったんです…」
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