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「……………起きろー」
「………んっ…」
耳元で低い声が聞こえて、私は熱っぽくて重いまぶたを開けた。
「あ、起きた」
「いや、お前が起こしたからそりゃ起きるでしょー」
「だっ誰ですかっ…!?」
「何故驚くー?」
「そりゃあ起きたら知らない男が二人いるんだ。普通驚くだろ。」
「ふーん。」
「ふーんって…」
「あの…?」
と、とにかく何で私の部屋にいるのか知りたい…
「あ、忘れてた。高杉さんが呼んでるから、さっさと起きて。」
「高杉さんが…?」
淡白な口調で私を急かすのは、短髪で野球部の主将をしていそうなほどがっちりした若い男の人。
「この部屋今から少し客人が使うからよー、悪いけどー片させてもらうよー」
語尾をやたらと伸ばすのはチリチリな天然パーマの鼻が高く目がたれ目の男性。
「えっ…あ、はい…」
私は布団から降りて着物を軽く手でシワを伸ばし、彼らの誘導であの高杉さんがいる部屋の前まで来た。
二階の一番の奥。
開く襖が六枚もある大きな部屋。
「ここっすー。中に桂さんもいるっすー」
「えっと…どうも……」
なんとも掴みにくい二人。
このお屋敷は何だか不思議な人が多いみたい。
ま。
まだ二日目だから分からないけれど、私もこれ以上気絶しないようにしなくちゃっ…
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