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第二話【悠理の気持ち】
滋の家から、【自転車で走って30分】の所に【中南部高校】はある。【正門】から入って【右に1年校舎】、【左に2年校舎】、そして、正門を入って【すぐ目の前にある】のが、【中央校舎。3年生がいる校舎】だ。
中南部高校は全体的にカタカナの『コ』の字の開いている部分を正門に向けた形になっている。
【中央校舎の二階】生徒会室に【悠理】はいた。早朝から、生徒会の会議があり、今は会議が終わって、窓から登校して来る生徒を見ていた
「滋はまだ来てないみたい」悠理は、外を見ながら、一人ぼやいていた。だから後ろから来る人の気配を感じとれなかった。
「よっ!元気?」一人の【男子生徒】が悠理に声をかけた。悠理は突然声をかけられたことに驚き、机をひっくり返し、しりもちを付いた。
「あ、…ゴメンなさい」悠理に声をかけた男子生徒、【榊原雄大(ゆうだい)】はこの高校の【生徒会副会長】に任命されている。ちなみに、【生徒会長】は【悠理】だ。
「どうした?【会議中】もあまり集中していないようだったけど?」雄大は心配して、悠理に声をかけたようだ。
「大丈夫。最近、なんか【寝不足】でさ」悠理は笑って答えた。「そっか。最近、生徒会の仕事も増えてきて、忙しくなってきたし、そろそろ後輩メンバーの勧誘でもするかな」雄大は、一人で納得したかのようにうなずいた。悠理は、ひっくり返した机を元の場所に戻して、窓の外に目を向ける。
自転車をおしながら、正門をくぐる滋の姿をみつけた。
(最近、すれ違うことが多いな…)悠理はそう思いながら、携帯を取ってみた。が(やっぱ、やめとこ)携帯を開くことなく、鞄にしまおうとした時、携帯が【メールを受信】した。開いてみると、相手は滋だった。
『元気?』と、たった1行だけのメール。悠理は少し微笑んで『元気だよ』と、返事を打って返信した。
「どした?」教室を出ようとした雄大が声をかける。「別になんでもないよ」
「そうか?なんか嬉しそうな顔してるぞ」「えっ!?そうかな?」「何があったか、知らないけど、元気になったみたいじゃん」そう言って雄大は、生徒会室を出て、自分のクラスへ向かっていった。悠理も、自分のクラスへ向かう。「滋からのメールを嬉しく思ったのは、初めてかも」自分を心配してくれる、滋をかわいく思った。
(今日、滋を生徒会に誘ってみようかな?) 悠理は、自然と笑顔になっているのが自分でも分かった。
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