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第五話【雄大の人情】
放課後の【誰もいない生徒会室】で、雄大は一人書類の整理をしていた「あぁー疲れた」書類が少し片付いたところで、ひといきいれた時(ガラッ)【生徒会室】のドアが開き、滋が入ってきた。「あれ?雄大さん居たんだ」机に鞄を置きながら、滋は話しかけた。「あぁ、最近忙しくて、【資料整理】もろくにしてなかったからね。悪いけど、手伝ってもらえる?」
「いいっすよ」滋も資料整理を手伝う。
「そういえば、ここに何か用?」雄大は不思議そうに聞いた。滋は作業の手を休めずに答える。「悠理を迎えに来たんですけど」「そっか、今は用事で居ないけど、そろそろ戻って来ると思うよ」「そうですか」
資料整理も二人がかりだったので、あっという間に片付いた。
「悠理とは、付き合い長いのか?」休憩をする滋に雄大は聞いた。「付き合いが長いというか、一つ違いの【幼馴染み】です。小学生のときは、いつも一緒でしたよ」「今は?」「最近は、すれ違うことが多いです」
滋はため息をつく。
「そっか。でも、ただの幼馴染みもそろそろ卒業したいだろ?」
「俺もそう思ったんですけど、なかなか難しくて」「簡単だろ。見方を変えればいい」
「見方を変える?」「【ただの幼馴染み】ではなく、【一人の女性】として見ればいい」「やってみます」
「頑張れよ」「ありがとうございます」
その時、滋の携帯がメールを受信した。
「何だろ?」滋は、携帯を開きメールを確認した後、鞄をとった。「どした?」「悠理からメールです。正門で待っているみたいです」「そっか。じゃあ行ってやれ。仕事を手伝ってくれてありがとな」「どういたしまして」「俺が言ったことを忘れんなよ」「ハイ」
滋は、生徒会室を出て悠理の待つ正門へ向かった。
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