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第六話【帰り道】
【学校の帰り道】、悠理と滋は二人並んで歩いていた。【会話はほとんどない】
(どうしたもんかな…)自転車をおしながら、滋はさっき雄大に言われた事を思い出す。
(【見方を変える】といってもなぁ)隣りを歩く悠理に視線を向けてみる。
「ん?どうかした?」悠理が滋の方を向く。「別になんでもねぇ」滋はそっぽをむく。
【変に意識】しすぎて、まともに【視線】を合わせることが出来ない。
「そういえば、二人並んで歩くの久し振りじゃない?」「そうだっけ?」「そうだよ。小学生のときは、【よく一緒に帰った】じゃない」「そうだったな」
また、二人は黙って歩く。
「後ろ乗ってくか?」自転車に乗り滋は聞いた。「自転車で二人乗りはいけないんじゃない」「そう言うなよ」滋は苦笑した。
「安全運転してよね」「了解」
滋は、ペダルに足を乗せた。悠理は少し迷っていたが、後ろに乗った。自転車は順調に走り出す。
「なぁ、悠理?」「なに?」「しばらくしないうちに重くなった?もしかして太ったか?」「何言ってんの!失礼な!」
悠理は、滋の後頭部をおもいきりはたいた。「あだ!冗談だって、そう怒るなよ」「うるさい!」
悠理は、顔を紅くしてうつむいた。
「やれやれ、その辺はまだガキだな」「年上にむかって何言ってんの!」「暴れんなよ。バランスが崩れるだろうが」
下り坂が見えてきたのでブレーキをかけて手前で止まろうとした滋だったが、「あれ?」手元に違和感を感じた「どうかしたの?」悠理が話しかける。
「どうしよう。ブレーキが効かない」「ウソ冗談でしょ?」「今度はマジ」
ブレーキの効かない自転車はそのまま下り坂に突入しトップスピードで坂を下り始めた。後には、滋と悠理の【悲鳴が残った】
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