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「いい加減、目を覚ましたらどうだい?」
そういう声が聞こえ、仁はゆっくりと目を開けた。
まだ視界がぼやけて見える。
世界が歪んでいた。
「まだぼ~っとするかい?すぐに慣れる。」
その声の言うとおり、だんだんと視界が鮮明ではっきりしたものになってくる。
真っ白な天井が一番最初に目に入った。
とても高い天井。
いきなり天井が見えるということは、床に仰向けで倒れているということだ。
感覚が曖昧だったから、倒れているのか座っているのかも微妙だった。
視界ははっきりとしているのだが、仁はしばらく寝ころんでいた。
「・・・あのさぁ、君、起きる気全くないだろ?」
呆れた様な声がした。
いや、完全に呆れ声だ。
そう言われて、瞬時に仁は起き上がった。
そこは見覚えのある真っ白な部屋だった。
白を基調とした、モノクロな部屋。
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