110人が本棚に入れています
本棚に追加
何度か来たことがあるが、久しぶりに来ると、懐かしいような気すらしていた。
「おはよう。」
仁のすぐそばから声が聞こえる。
何度も仁に話しかけてきたそれ。
闇に飲み込まれそうになった時も、何度も説得をしてくれた声。
仁は声のした方を振り返る。
「やぁ、神谷仁君。」
そこには少し長めの銀髪の男がいた。
白装束を身にまとっている。
スーツと言うべきか。
男は、仁をにっこりとほほ笑みながら見ている。
悪い印象はなかった。
「・・・あんたが助けてくれたみたいだな。ありがとう。」
仁は俯きながら礼を言った。
「いいんだよ。君にはまだやることがたくさんあるんだ。当然の事をしたまでだよ。」
男は一人用のソファーを呼び出して座った。
ソファーも真っ白だ。
最初のコメントを投稿しよう!