真実の宮殿

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そう言いながらゼファーはスーツを脱ぎ、それをクローゼットに掛けてしまった。 なんというか、普通だった。 友達の家に遊びに来た感覚に近い、といえばそんな気もするが、実際は違うだろう。 「さ、そこのソファーに座ってくれ。今お茶でも出すよ。」 そう言ってゼファーはワイシャツ姿で隣のキッチンと思われる部屋に行ってしまった。 仁はなんだか取り残されたような気もしたが、とりあえず一人掛けのソファーに腰を下ろした。 仁は部屋を見回した。 部屋には出入り口はない。 左右に扉が二つ、正面に窓。 これだけ。 「なんというか・・・。大学生の一人暮らし、よりはいい生活なのか?」 そんなことを呟く。
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