存在意義

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『・・・このままじゃ君もアレクシアと同じだな。いつまでもふさぎこんで、一人で抱えて。一人で苦しんで。楽になりたいんだろう?だから彼女は死神になった。だが君は彼女と同じ道を歩んじゃいけない。』 『え・・・?』 声が仁を優しく諭す。 不思議だった。 不思議と嫌じゃなかった。 『アレクシアと・・・、同じ?』 母親に優しく叱られる感じだった。 自然と心を開いてしまいそうになる。 『そうだ・・・。アレクシアと同じだよ。今の君はね。』 『違うっ!!俺はアレクシアと同じ何かじゃ駄目なんだ!!!』 仁は否定した。 深い闇に飲み込まれる感覚はもうしなかった。
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