存在意義

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『そうだ。君にはまだやることがある。彩乃ちゃん、君の事を待ってるよ?』 ふと突然出てきた妹の名前。 『・・・彩乃?なぜ、彩乃が?』 『いやね、君が消滅したいと強く願うものだから、君が消滅した場合の並行世界ができちゃったんだ。』 苦笑い。 きっと声の主はそれを浮かべているんだろう。 声の感じでなんとなくわかる。 『・・・その世界の彼女は君をずっと待ってる。兄妹の仲は切っても切れないからね。記憶が残ったまま消滅したんだよ。彼女は悲しんでいる。君以外に救える人はいない。』 仁は闇から引きずり出される感覚を覚えた。 『彩乃・・・。そうか・・・。俺は初めから戦う道しか残されていなかったんだな・・・。』 『彩乃ちゃんを救うには、君自身の帰還。つまり、アレクシアとの宴を終わらせる必要がある。・・・わかるね?』
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