キューピッドに感謝/仁亀竜雄

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U「ねぇ。」 A「ん?」 U「…亀かわいいんだけど」 A「うん、知ってっから、あんまり見んな。」 U「つーか、最近イチャつかないね。」 A「なにが?」 U「…君たち。」 お互い向き合わず会話を続けていて、上田の一言で、やっとお互いを見つめあった。 A「…………関係ないでしょ。」 U「なに?倦怠期?」 A「ニヤニヤするな。」 U「亀かわいいんだけど」 A「2回目。」 U「…だから、亀めちゃくちゃショボンとしてんじゃん。めちゃくちゃ母性本能くすぐられるんだけど。」 A「…………俺、男だから母性本能とか知らない。」 U「あ、ほら、亀こっち見た。」 亀は体育座りの状態でソファに座っていて、 俺らはそれぞれソファの反対側にある椅子に座ってて。 亀がこっちをチラチラ見ていたのは知っていた。 U「…話さないの?」 A「…………」 U「まあ、お前の考えてることはいっつもよく分かんないから、なんとも言えないけどさ。亀があんなんだと…まわりがどうなるか分かってんの?」 _
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