社交パーティー

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昨日の方向に向けていた視線を恐る恐る前に向けて見ると、そこにいたのは満面の笑みを顔に張り付けている魔王の姿が。 見た目は天使のような笑みだが、その笑みも今の舞白には般若にしか見えなかった。 「(……ヤバい、これはヤバい、怒ってるでは済まされなくなっている)」 怒りを通り越して、殺意すら垣間見えている。 そろそろ死ぬかもしれない。 遼の殺気に当てられた舞白は蛇に睨まれた蛙状態になっているが、隣に平然と立っている男は、尚舞白の肩を抱いたままだ。 命知らずというかなんというか、ともかく拍手ものだが、今の舞白にはそんな余裕はこれっぽっちもなかった。 「おー怖い怖い。本当に舞白にご執心だな、坂下」 あざ笑うかのように笑みを浮かべる颯。 何故、この男はここまで遼を刺激するのか。 「ま、確かにお前が執着する気持ちも分かるがな」 颯は遼に見せつけるかのように肩を引き寄せ、舞白の頭にキスを落とす。 瞬間、ショートしていた舞白の思考が正常に働き始めた。 「ちょっ颯、ホントいい加減に放せ!」 状況理解ができた舞白は、自分が物凄い状況下に置かれている事が分かった。 とにかく打開せねば。 舞白は颯の腕から逃げ出そうと体をひねったり颯の胸を押すが、颯が力を入れているせいか、なかなか抜け出せなかった。 コイツ……ッ! 少々イラッとした舞白は左拳を体のひねりと共に右肩の方まで持ってきて、ひねりを戻す勢いと共に左腕を振った。 舞白の渾身の一撃は見事に颯の左脇腹に入り、咳き込むとともに颯の力が弱まった。 その瞬間、舞白はするりと颯の腕から抜け出す。 「舞白」 真っ直ぐ舞白に手を伸ばす。 それに答えるように舞白も遼に手を伸ばした。 が。 、
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