社交パーティー

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「仮にもレディが手を上げるか?しかもグーで」 遼の手を取る前に、颯が舞白の肩を掴み自分の方へと引き戻した。 その力が思ったより強く、舞白は背中を思いっきり颯の胸に当てた。 結構な強さで当たったため舞白は思わず咳込むが、対する颯は顔色一つ変えず咳一つしない。 「ま、その異常さがお前の良い所なんだろうが」 褒めているんだか貶しているんだか分からないセリフを吐きながら、少し涙目になっている舞白の額に手を当てて前を向かせながら口を耳に寄せた。 「近いうちに、また会おう」 颯は一言そう口にして舞白からぱっと手を放し、その手で遼の方へと舞白の背中を押した。 不意打ちだったため舞白は押される力に抵抗できず、そのまま遼の胸へとダイブする。 遼は颯を睨みつけたまま舞白を抱え込むように抱きしめる。 舞白が遼の胸の中で颯の方へと振り返ると、颯は一回フッと笑みを溢してそのまま人混みの中へと消えて行った。 颯の姿が消えてから遼はやっと肩の力を抜き、舞白を腕から解放した。 「まったく……よりによってあんな男に掴まるなんて……」 そして何故か背をかがめて、舞白の腕や肩や頭をホコリを落とすように手ではらう。 てっきり悪魔の頬笑みを頂くことになるだろうと思っていた舞白はいきなりの事に意表を突かれた。 それは遼の友達・直樹も同じだったようで、避難場所だった、少し離れた天使の彫刻の影から恐る恐るといった様子でこちらへ歩み寄ってきた。 、
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