社交パーティー

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「何ニヤニヤしてるんですか」 直樹に向いていたはずの視線が向き直っていて、舞白は真顔に戻り遼を見上げた。 「ニヤニヤなどしていない」 「そうですか?まぁいいですが」 遼はふぅと息を吐くと 「ほら、さっさと終わらせて帰りますよ」 と、身を翻してしまった。 舞白は背を向けて歩いて行ってしまう遼に遼、と呼び掛ける。 名前を呼ばれた遼が体を反転させて舞白を見ると、舞白はさっきまで疑問に思っていた事を問いかけた。 「怒ってないのか?」 舞白の恐る恐るの問いかけに、遼は何がとは返さない。 ゆっくりと目を閉じ俯いて少し考え込むような姿勢になった。 そして数秒も立たないうちにゆっくりと顔を上げ、怖いくらいの笑みを舞白に向けた。 周りから見れば天使のような笑みだが、遼と親しい舞白と直樹から見ればそれは天使のように微笑む大魔王にしか見えず、二人は人知れず身震いをした。 「……俺が、怒っていないとお思いですか?」 底知れない、地を這うような声が二人を包む。 目の前に見える遼の笑みは明らかに冷え切っていて、二人は吹雪に吹かれるような錯覚に見舞われる。 此処はラスボスの、大魔王の城か何かなんだろうか。 「舞白」 冷めた声で名前を呼ばれた舞白は肩を跳ねあがらせる。 まるで蛇に睨まれた蛙状態だ。 「家に戻ったら……覚悟しておいてくださいね」 最後の一笑みが極めつけとなり、舞白は背筋を凍らせた。 家に帰ったら、きっと殺られる。 「いや、さ……会ったばっかだけど、君とは仲良くなれそうな気がするぜ。 とりあえず……頑張れ」 「……死なないようにはする」 何だかよくわからない同盟を、二人は心の中で結んだ。 、
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