危ない彼女

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俺は少しショックだったけど、栗子さんから『ひどいことした』と聞いてたからそれほど驚かなかった 兄ちゃんが20歳で栗子さんが23歳の時の話しらしい そのあとは兄ちゃんはやけ酒でそのまま寝ちまった。俺は毛布をかけて、こっそり帰った 夜道を帰ってると公園のベンチに誰か座っていた 栗子さんだった 野良猫相手に何か会話している その姿は少し寂しそうであった 俺は声をかけず家に戻って行った 家では親父もこたつにはいったまま寝ていた 『親父、風邪ひくから布団にはいろうぜ』 『おお、カイトか。ついつい居眠りしちまった。さあ着替えて寝るか』 『俺風呂入って寝るから』 湯舟で俺は兄ちゃんと栗子さんの事を思っていた 栗子さん、そんなに東京行きたかったのかな。兄ちゃんだって、わかっててお金渡したんじゃないのかな 20代の二人を想像してしまう
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