9人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
放課後、片瀬に呼ばれ、僕は屋上に向かった。
泣きはらした赤い目を僕に向ける。
「後藤くんさあ……昨日めぐに告られたよね…?」
「……うん」
上手く働かない思考回路のせいでスムーズに返事が出来ない。
「返事は?」
「…は?」
「したの?」
返事……告白の返事のことだろう。
「あぁ……」
「……付き合ってるの?」
「……あぁ………」
「はぁぁぁ………」
片瀬は大きくため息をついてその場に崩れ落ちた。
「大丈夫…」
「大丈夫なわけないでしょ!」
間髪をいれずに片瀬が答える。
「本当は全部めぐから聞いた!告白したことも、結果も、付き合ってることも!!」
「………」
「でも!今日学校に来たら……」
片瀬はポロポロと涙を流しながら、声を荒げた。
「後藤くんは…自分は関係ないみたいな顔してるし……!!」
僕は妙に落ち着いた気持ちで片瀬を見ていた。
「ごめん……」
涙を拭いながら片瀬がつぶやいた。
「後藤くんに言ったって…何にもならないのに……後藤くんも…本当は辛いはずなのに……」
「………」
辛い………?
……僕が…?
最初のコメントを投稿しよう!