11月13日

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  花田が死んで三日が経った。 人が死んだという虚無感は 膿んだ傷跡のようにいつまでもそこから動こうとはしなかった。 クラスの奴らは誰もそれに触れようとはしなかったし、花田と仲の良かった女子は度々学校を休んだ。 今日もそうだ。 まるで映像を見ているような、フワフワした感覚…… 宙を歩いているような……… 「後藤くん!!!」 振り返ると片瀬がいた。 「何……」 「前!…階段!!」 ふと足元をみるとつま先の数センチ先には段差があった。 ひゅうっと心の中に冷たい空気が流れ込むような感覚に襲われる。 「後藤くん…ぼーっとしてたから………」 「………ありがとう」 片瀬は眉間にしわを寄せ、僕に近づいてきた。 「うん……今日さ…一緒に帰らない?」  
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