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僕は叫び声すらあげることもできず花田を凝視し続けた。
5日前と寸分も変わらない彼女は僕をきょとんとした顔で見つめている。
彼女は死んだはずだった。
そう、5日前に交通事故で。
トラックにはねられ即死で…
この間通夜と葬式があって…
『那智くん……?』
不安そうに首をかしげ彼女は再び僕の名を口にした。
「………お前…誰だ?」
『やだなぁ……』
くすくすと笑って彼女はまた僕を見た。
『那智くんの…彼女でしょ?』
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