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僕が片瀬の言葉を遮ったのは、彼女が今にも泣きそうだったからだろうか。
よく分からない。
踏みしめるように歩く。
片瀬の歩幅に合わせて足踏みをするように歩く。
それは少し焦れったい気もしたが今日は然程気にならなかった。
2人の間に相変わらず会話はなくて、気がつくと片瀬の家の前にいた。
「じゃあ……また」
片瀬は始終俯いていた。
そのせいで表情がよく見えなかった。
片瀬に背を向け歩き出す。
「……後藤くんっ!」
急に大きな声に呼び止められた。
振り向いて片瀬を見る。
「あたし……後藤くんのこと…」
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