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『好き』
僕が帰ってきてからと言うもの花田はこればっかりだ。
『好き…好き好き好き…』
「うっせ……」
徐に嫌な顔を作ると、花田は少し大人しくなった。
『ゆんちゃん……好きなの?』
「は?」
花田は少し声を大きくする。
『片瀬由奈さん』
「あぁ……」
『好きなの?』
身を乗り出す。
「……なんで?」
僕は花田から視線を反らし大きいため息をついて曖昧に答える。
『告白……されたでしょ?』
眉間に皺を寄せる。
「見てたのか?」
うん。と花田は頷いた。
僕が黙っていると花田は小さな声を発した。
『ゆんちゃんは…いい子だよ?』
なぜだろう。
胸元がちくりとした。
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