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「……ち……那智!!遅刻するわよ!!!」
一階から母の叫び声が聞こえる。携帯を開くと午前7時……
あぁ、もう遅刻だな。まぁいいか。
のそのそと布団から出て着替えると、一階に下りて簡単に朝食を済ませた。
部屋に戻り荷物をかばんに詰め込み家を出る。
登校中歩きながら携帯を開いた。
受信メール一件……花田からだ。
ぢゃあ、明日7時に第一公園で待ってます😃
時計を見ると8時前だった。もうすぐ朝礼が始まるころだ。花田も学校へ向かっただろう。行けなくて悪かったと後で謝っておこう。
朝の約束をそこまで気に止めずに僕は学校へ向かった。
学校に着いた時間はちょうど1限目の半ばだったが、教室は騒々しかった。
「おい、後藤!こんな日に遅刻かよ!!」
席に着くなり、裕介が声をかけてきた。
「は?こんな日ってどんな日だよ?」
裕介は少しこえのトーンを上げてまくしたてるように言った。
「お前知らねえのか?隣のクラスの……去年同じクラスだった、花田萌だよ!!」
「………?花田がどうしたんだ?」
裕介は急に真面目な顔をして声を震わせた。
「今朝交通事故で………」
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