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「慌てて食べなくても大丈夫だよ!なくならないって。」
そう言ってトーイはラドに冷たい水を渡した。
ラドは水系なので水を飲むか、水の中に入れば多少の怪我は治る。大怪我でも長時間水に入っていれば、傷跡も残らないくらいの回復力があった。
トーイに渡された水を飲み干し舌の火傷を完璧に治したラドは「ふーっ」と一息ついた。
まだ日が沈み切らない内から、かなり早めの夕飯を食べた二人は、もう片付けをして寝ることにした。
何故こんな早い時間に寝るかというと、
次の日の0時から旅立ちが許可されているからだ。
トーイ達は、なるべく自分を嫌っている村人に会わない夜に出発をすることにしたのだ。
そんなトーイたちとは裏腹に、同い年の村長の息子、クコルイド・ハーンは村人達から成人の試練の前夜祭で夜遅くまでもてなされていた。
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