序章

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 どうも、私は新撰組で住み込みで女中をさせて頂いている天口弥生という者です。 私はみんなと試衛館の時からの仲間だったりします。 詳しい話は……また次の機会に。  私の働く場所は戦う男の人だらけで、女中の人は何人かいるのだけれど…住み込みなのは私だけだったり。 理由は、新撰組が女人禁制だから。 あ、因みに周りには私も他の女中さん達と同じく通っていることになってます。 だから、うちの女中さん達はみんな口が固い。 きっと採用された時に土方さんから鬼の形相で、 「秘密を漏らせば、誰であろうと生きていることを後悔させてから斬る」 と脅されたからなんだろうけど…。 話を戻して…。 私も皆について行き、住み込みで働きたいと願い出た時は大変だった。 当たり前のように全員から反対され、ひたすらお願いを続けていても結局私は、みんなが試衛館から京に行く時に置いて行かれることになっていた。 …だけど諦め切れなかった私は変装をして、気付かれないように尾行をしながら勝手についていき、ついた所で姿を表した。 変装を解いて皆の前に出た時、いきなり土方さんに怒鳴られたのはいい思い出だ。 私が無理矢理ついていったのは、約束があるから。
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