序章

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京についたその日から、毎日のように誰かしらが朝晩関係無く襲ってくるようになった。 土方さんはきっと私を怖がらせて、江戸に追い返すつもりだったんだと思う。 普段は「乳臭い小娘なんざに興味はねぇ」なんて言ってたくせに、初めて襲いにやってきたのは土方さんだった。 私はただ認めてほしくて遠慮無く叩きのめした後、着物を剥いでから簀巻きにして、庭に放り出したんだっけ。 それ以降、土方さんがくることはなくなった。 代わりに、隊長格の人達が交代で襲いに来るようになった。 私は知っている。 隊長格の人達が夜這いに来ては叩きのめす私を見て、平隊士の人達が私を恐れて襲おうとしなくなっていることを。 私は知っているんだ。 これは鬼の優しい気遣いなんだって。 だから、私は遠慮なく叩きのめす。
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