序章

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過去の事は置いといて。 今私は、十番隊隊長の原田左之助さんに布団をひっぺがされて、両手首を頭の上で押さえられて組み敷かれたりしてます。 今何刻だと思ってんだこの人は…。 左之さんから視線をずらして障子を見てみると、外はまだ真っ暗だった。 …多分、丑三つ時くらい? 眠いわっ!! ショボショボする目を瞬きさせながら欠伸をすると、上から呆れたように左之さんが溜息をついた。 「はあぁぁ………弥生さぁ、全く焦らないんだな?ちぃとはびびってくれなきゃやりがいがねぇのによォ……。ま、いいか!遠慮なくいただきまー」 ゴスッ!! 左之さんがべらべらと喋っている隙に、膝で男の急所を蹴りあげる。 すると左之さんの端麗な顔は一気に苦悶の表情へと変わっていき、私の手を離して急所を抑えながら私に覆いかぶさってきた。 いくら私でも左之さんの体重は重すぎる。 なので潰される前に左之さんを横に突き飛ばして廊下の方へと転がした。 「~ぅぁっっっ!!!!」 股間を抑えながらゴロゴロと転がって行った左之さんは声にならない悲鳴をあげている。 いやぁ…さすがにちょっと悪いことしたかも。 寒空の下に動けない左之さんを放置するのも可哀想だったから、情けで敷布団をかけてあげた。 …目、冴えちゃった。
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