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第8話【卒業式】
結局、【勇気】を出して【告白できなかった】悠理は今、卒業式を迎えた。
「告白しないの?」「…出来ないよ」「何の話だ?」「アンタには、関係ない話よ」悠理&由美&雄大は【卒業証書】の入った筒を持って、【桜並木を歩いて】いた。
「滋君に【フラれる】のが怖いの?」「それもあるけど…」「あいつは、いい奴だと思うけどな」「ゴメン」「ま、告白にはかなりの勇気がいるからね。頑張りなよ」「背中ぐらいは押してやる」「…うん。ありがとね。【由美】、【雄大】」
悠理はまだ勇気を出せずにいた。
「悠理!」「何?」「ほら、あれ!」「あっ!?」悠理は何かに気がついた。
桜並木の中でも一番大きな桜の木の下に滋が立っていた。
「ほら、行ってきなよ!」「えっ?…でも」「今、行かないでどうすんだ!」「…うん。行ってくる」「悠理!ファイト!!」「後で、結果、聞かせろよ」「ありがとね!!」
二人は最後まで【悠理の背中】を押してくれた。今度は自分が勇気を出す番だ「頑張れ!私!!」自分自身に言い聞かせた悠理は滋の場所まで早足をした。
「本当に…これで、良かったの?雄大。本音を隠したままで…」「良いんだよ。あいつの背中はもう、守らなくて良いんだ。滋に…任せるよ」「そっか…なんか、カッコいいな…」「そうかな?」「うん…ねぇ?雄大」「ん!?」由美は、雄大の首に自分の首を絡ませ、唇を重ねた。
唇が離れた後、「こんな、がさつな女の子の、キスなんて嬉しくないと思うけどさ…」由美は、顔を赤く染めて俯いた。「いや…そんな事は…ないよ」「本当に!?」「あぁ」「じゃあ、こんな、私でも、【付き合ってくれる】?」「こんな、俺で、良ければ。お願いします」雄大は、由美に手を差し出した。「うん!!ありがとね」彼女は、雄大の指に自分の指を絡ませて、【恋人つなぎ】をした。
「なんか…照れるな」「俺もだよ。飯でも行くか?」「うん!!」二人は、悠里の成功を祈り、その場を後にした。
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