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第2話【悠理の心配】
「【会長】!これ、お願いします」「はい、はい」
「【会長】!これどこですか?」「今、いくから、ちょっとまって」
「【会長】!ここ、教えてください」「はーい」
滋が【会長に就任】してから【一週間が過ぎた】。生徒会室は毎日、バタバタしている。
「あぁー疲れた」今日、1日の作業が終わり滋は机に伏せた。
「会長!」「はい!!」後ろから、声をかけられ滋の背中がピンとのびる「なんちゃって。ちょっと驚かしただけだよ」
「なんだ、悠理か」滋は少しほっとする。
「だいぶ、お疲れみたいね」「まぁね」
「一緒に帰ろうか?」「おう」二人は生徒会室を出た。
「どう?調子は?」「まぁまぁってとこかな」
悠理は滋の事が心配なようだ。
「ねぇ、私のこと怒ってない?」「なんで?」
「なんか、生徒会の仕事を押し付けたみたいになってない?」「別に、押し付けられたとは、思ってないよ」「そう、ならいいんだけど」二人は黙って歩く。
しばらくして、「ただなぁ」滋が口を開く。
「え?何?」「こう、何ていうかな、生徒会のまとまりが少しないというか。バラバラな感じがするんだよな」「それは、まぁ大変だろうね」
「だろ!1年をまとめるのも、結構疲れんだぜ」「そこは、あんたの腕の見せどころでしょ。頑張りなさいよ!」「何か、今から、胃が痛い」「あはは」
悠理は、滋の肩を叩き笑う。
「あ、そういえば明日、【家に来れる】?」「何で?」「久しぶりに、【イトコ】が来るのよ」「へぇ、どんな人?」「【台風】みたいな人かな」
「何だよ、それ」滋は苦笑した。
「悠理!」「え?」悠理の家の前に、誰かがたっている。
肩まで伸ばした髪を後ろで束ねて、スーツを着た女性。
「里奈ネェ!?」
悠理は驚きを隠せず口をおさえた。
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