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第3話【台風到来】
「【里奈ネェ】!何でここにいるの?明日、来るんじゃなかった?」
悠理は、早口でまくしたてる。
「そんなに、慌てない。けっこう早く休みがもらえてさ。1日早く来たのよ。それよりさ」
里奈は、悠理の肩を抱き小さく呟く。
「男と一緒に帰って来るなんて。悠理ちゃんもすみにおけないなぁ。【キス】とかもうした?」
「なっ!?何いってんのよ」悠理の顔がみるみる紅く染まる。
「おや~?そのリアクションは何かな?もしかして、【キス以上の事】もしちゃたの?」「し、してないよ。そんなの!」「もうムキになちゃって」
里奈は、そう言ってクスクス笑う。悠理をからかうのが面白いようだ。
しばらく、悠理にからんでいた里奈だったが、「さて、悠理ちゃんを送ってくれた少年!名前は?」
悠理から手を離し里奈は滋に話しかける。
「朝比奈滋です」滋は、自己紹介をした。
「しげる君か。私は悠理の従姉で【リナ】っていうの、宜しく」
そう言って、里奈は手を差し伸べて、握手を求めた。
「こちらこそ」滋も、手を握り返す。
「久しぶりに悠理ちゃんに会いに来たけど、まさか、【彼氏】ができてるとはねぇ」里奈がしみじみ呟く。
「そんな、滋は、彼氏ってわけじゃ」悠理が慌てる。
「えっ!?彼氏でもないひとにキスなんかしたわけ!?」「里奈ネェ!声が大きい!」「あ、ゴメン」「もう、さっさと、家に入るよ。」
悠理は、先に家に入る。「少し、からかっただけなのに」里奈は少し残念そうな顔をする。
「じゃあ、自分はこれで」滋も家に帰ろうと歩き出そうとしたが
「寄ってかないの?」「イヤ、自分は」「寄って行きなさいって」里奈は滋の腕を掴み、家に招き入れた。
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