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放課後になり音楽室でたむろしていると、トイレに行ったはずのエリカがダッシュで戻ってきた。
「果菜あっ! ぜーぜー」
「どしたの? 髪乱れてるし」
「……がぇる!」
「ん?」
エリカは回りに聞こえないように私の耳元で小さい声で言った。
「佐々木、今から帰るみたいだょっ。一緒に帰ったら?」
「えっ」
「好きって言うチャンスだよ! 早く行って!」
ぐいっと私のカーディガンを掴むと、かばんと一緒に音楽室の外へ引っ張りだす。
「走れーっ!」
「うんっ!」
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