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『風遁系の忍術だよな』
『凄いことになってるわね』
『まあお前の風遁忍術のほうが上だよな、木はおろか石まで粉々にしちゃうんだもんな』
『それは褒めすぎ』
二人の男女は崖から下を見下ろしていた。
崖の下には昨日まで樹が生い茂っていて森となっていた。
が一日にしてそこは無残に荒れ地になっていた。
『ん??誰かいるぞ』
と男は瞬身の術を使い
その誰かの元へ
『そんなの誰も…って待ちなさいよ』
と女も後を追い、瞬身の術。
そこには衰弱しきった女が木の下敷きになっていた。
『おいおい、洒落になんねぇぞ』
男は木を退かしていく。
『ひどい傷ね、どうするのよ??』
木を退かし、露になる倒れている女。
『まあ、見捨てるわけにはいかねえしな』
と男は倒れていた女を背負う。
『あんたってそんな奴だっけ??』
『いや、なんとなくだな、気まぐれだ』
『そう……ん??』
女は近くにあった横笛を見てそれを拾う。
男女は倒れていた女を抱え、この場を去った。
ここは何処だ??
ウチは……??
誰……??
誰なんだ??
『うわああー!!』
倒れていた女はばっと起き上がった。
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