旅の途中

4/5
前へ
/41ページ
次へ
『厄介な事になっちまったな』 『マテラの気紛れのせいだからね』 カザミは穏やかに言う。 『そう言うな。んじゃまあ、名前が無いなら名前を決めねえと…しばらくは一緒に生活するしな』 『そうね、そういえば…これ』 とカザミは懐から横笛を取り出した。 『魔笛??なんでそんなの持ってるんだよ??』 『この子が倒れた近くにあったのよ』 『笛……笛…音隠れ……』 腕を組み、考える。 『ネネ。なんてどうかしら??音隠れの笛の音を使う忍ですし』 『いいんじゃないか??名前を思い出す合間だしな』 ネネが起きたのは次の日の朝だった。 ここは……?? ウチは… ウチは誰だ!? ……………… 『ここは……!?てめえら誰だ!?』 ネネは起き上がり、強気に出た。 ネネは戦闘態勢の常態。 『いきなりか』 『それはそうですよ、知らない人ですから』 ネネは近くに刺さっていたクナイを取り マテラを刺そうとする。 が、 『せっかちな奴だ…オマケに口まで悪い』 マテラの指先には氷が出来ていて クナイは氷に刺さった。 『安心しなさい、私たちは味方よ』 ネネはそのまま、ストンと腰が引けていた。 『ったく…俺の名前は月闇マテラ』 『私はカザミ。凩カザミよ』 と言うと二人は手をネネに差し出した ネネは二人の手を借りて立ち上がる。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加