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「プッ………アッハハハ!」
クロノスは堪えきれず吹き出し、お腹を抱えて笑う。
「わ、笑うなよ!こっちは真剣なんだ!」
コウヤは顔を真っ赤にしながら、笑い転げているクロノスを怒鳴りつける。
「だって、普通そんな事言うか?出来もしないことを?」
髪を振り乱すほど笑ったクロノスは、何とか笑いを抑えコウヤに向き直る。
「……で、教えてくれんの?」
頬を恥ずかしそうに掻きながら、クロノスに問うコウヤ。
それに、うなずきを持って返す。
「仕方ないなぁ……だが、リサに協力してもらえ」
「はぁ?!無理無理!絶対ヤダ!」
「なんで?ダンス、特に舞踏会とかで踊るダンスは、男女のペアじゃなきゃ教えんの無理だぜ?」
「リサに見栄張った手前、それだけは無理!」
本気で拒否するので、クロノスは腕を組んで考える。
「………じゃあ、俺が仮パートナー探しとくよ。
ミリア呼んでこい。人型にする方法を早めに終わらせてダンスに集中出来るようにするから」
クロノスは手を振って、コウヤを追い出すようにミリアを呼びに行かせた。
「タイム」
コウヤが出ていくと、クロノスは名を呼び使い魔を召喚する。
『……お久しゅうございます。どうかなさいましたか?』
クロノスの目の前に黒髪黒目の女性が、跪いて現れる。
漆のように黒髪は長く床についており、白い手にはかなり細長い杖が握られている。先にはオリーブを模した飾りがついている。
「聞いてたろ?あいつに教えてやってくれ」
『御意のままに……』
タイムが頭を垂れると、さらりと髪がこぼれ落ちる。
「人型でな。俺の母方の友達って事にしとくから」
『はい…』
タイムが返事をし消えると、ちょうど良くコウヤがミリアを連れて戻って来た。
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