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クロノスは髪を結い、前にたつ2人を見る。
「いいか?これから使い魔を人型にする方法を教えるけど、センスがあれば1日で出来るから。まあ、頑張って」
ここだと焔が入れないと言うことで、3人は学園の中庭に移動する。
中庭には、真ん中に噴水があり涼しげだ。周りには色とりどりの花壇が、整えられている。
「よ~し、焔と白憐呼べ」
噴水近くでクロノスは2人に召喚させ、焔と白憐が姿を表す。途端に2匹は睨み合い、火花を散らすがクロノスが清々しいくらい怖い顔で見ているので、お互い顔を背ける。
「なんでそんなにいがみ合うんだか………」
ぼそりと、クロノスが呟くが主人2人には聞こえていない。
「よし、人型にするには流す魔力を変えるんだ。2人とも、自分より大きい使い魔だから魔力は少なくする。因みに、自分より小さい時は多くするんだ」
コウヤもミリアも自分の使い魔を見上げ、無言で魔力を減らしてみる。
が、しかし………
『はわわ!少なすぎて人界にいられな』
白憐は言葉の途中でいなくなる。
『コウヤ!魔力が減るどころか増えておるぞ!』
焔は逆に肥大していく。
どうやらこの2人、コントロールが下手なようだ。
ミリアは加減がわからず、何度も白憐を呼び出しては消え、呼び出しては消えを繰り返している。また、コウヤは焔をどんどん肥大化させパンパンにしてしまっている。
「……思ったより重症だなこりゃ」
腕を組み、傍観していたクロノス。
白憐はともかく、焔はそろそろ破裂してしまいそうなのでクロノスが動く。
「ストップ!これ以上やったら焔が破裂するぞ」
「………ごめん」
コウヤは魔力を流すのをやめる。すると、焔の肥大化も止まった。
「大丈夫か?」
貯まりすぎた魔力を外に放出するため、クロノスは焔に手を当てる。
ゆっくり元通りになる焔を見ながら、コウヤは頭を抱えた。
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