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「……魔力を減らすってどうやればいいんだぁー!」
力の限り空に向かって吠えるコウヤ。
「うるせ。コウヤ、まさかコントロールの仕方から教えるとは思わなかったぞ」
元の大きさになった焔から手を離し、クロノスはコウヤの前にたつ。
「ミリアもああだしな……お~い!ミリア!」
ミリアを見ながらため息を禁じ得ないクロノス。
ミリアを手招きし、コウヤの隣にくると話し始めた。
「魔力コントロールが成ってない。
予定変更だ。その辺の葉っぱ拾って来て」
2人は言われた通り、葉を拾い上げる。
「これで何するんだ?」
くるくると葉を回しながら、コウヤが尋ねた。
「コントロールの仕方に決まってるだろうが。
この葉っぱに魔力を流して……」
クロノスは自分の葉を2人に見えるように、高く持つ。
葉に魔力が流れたかと思うと、切れ込みが入り馬の形に切れた。
「「おお~!」」
見事な形に2人から拍手が出る。
「………これを作って貰う。
ここまで細かくなくていいから、自分の好きな形に切って。俺が見て合格なら使い魔たちも、すぐに人型になれるから」
クロノスは馬を2人に渡す。よくよく見れば、たてがみが細かく切れている。尻尾も同様だ。
「自分で形を決めていいんですか?」
馬を手に乗せながらミリアが問う。
クロノスはそれに首肯する。
「じゃあ、私はこれを真似てみます」
ミリアは自分の葉に魔力を流し始める。
「俺は龍かな」
コウヤも始めた。
「さて、最初に出来るのはどっちかな?」
クロノスは近くにあった木に背を預け座ると、2人の様子を見守った。
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