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翌日
クロノス、コウヤ、ミリアの3人は昨日同様、中庭で葉っぱとにらめっこ。
昨日と違うのは、中庭にいる人の数だろうか。
昨日までは休みの最初で皆あまり動かなかったが、今日からはクラウディアへ行く人や、実家に帰る人がいる。
中庭には、生徒用の瞬転陣があるからだ。
「今日も昨日と同じな」
クロノスは2人にそれだけいうと、木にひょいと登り太い枝に座る。今日は高い所から見ているつもりた。
「……やるか」
コウヤは葉っぱを拾い上げ、魔力コントロールをマスターすべく、修行を始める。ミリアも負けじと、直ぐに始めた。
「……コウヤ~」
日がすっかり真上にきたころ、クロノスは木から飛び降り、休憩していたコウヤを呼ぶ。
「ふひぃ?」
口にパンをくわえながら、振り返る。昼食中だったようだ。
「この後、噴水奥の屋根があるとこに集合」
「ふぁい」
もぐもぐと口を動かすコウヤの仕草を見て見ぬ振りして、用件を伝える。
コウヤはごくりと喉を鳴らして、パンを飲み込むと噴水奥へと向かった。
その背を追いながら、クロノスはきょとんとしたミリアに肩越し振り返る。
「ミリア!午後もそれな!出来たらよんで~」
「え?あ、はい」
一応返事をしたが、既にコウヤもクロノスも姿はない。
「………何やるのでしょう?」
怪訝な顔で、2人の消えた方向を見つめるミリア。
「……見に行きましょうか」
そう言って立ち上がろうとするが、クロノスに怒られると思い、止まる。
「気になりますね………早く終わらせて、見に行っちゃいましょう!」
ミリアは猛スピードで修行に取りかかった。
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